【第2回戦略会議】投資信託で王国再建なるか!?仕組みや手数料、税金について詳しく調べてみた!

王様
前回、財テクで王国の財政を立て直すべく『財テクキングダムプロジェクト』を発足し、まずは投資信託をはじめることで決定しました。

このプロジェクトは定期的に戦略会議を開いて資産運用を勉強しつつ実践していき、国の財政を黒字にすることが最終目的です

なので今回2回目の戦略会議でも、投資信託についてどんどん勉強していきたいと思います。

というわけで、調査してきたものを報告してくれるかな?

家来
承知しました。

投資信託の仕組みにはじまり、メリットとデメリット、取り扱い商品の種類や運用先のほか手数料や税金にいたるまで、王様がすぐにでも口座開設したくなるように情報をまとめてまいりました。

王様
それは楽しみだね。

相変わらず準備万端で頼もしいかぎりだよ。

まずは投資信託の仕組みを勉強しよう

家来
前回も多少は説明させていただいたんですけど、あらためてお話いたします。

投資信託とは、投資家から集めたお金を専門家が株式や債券などに投資して運用する商品で、その運用成果に基づいて、投資額に応じて分配金が支払われる仕組みになっています。

王様
運用するのは専門家だから、投資家は株とかの知識がなくても大丈夫ということだったよね。
家来
そうです。

また、商品によっては少額から始められるものもあるので、初心者でもお試しで始めやすいということです。

王様
うんうん。

で、証券会社がメインで取り扱っているということだった。

家来
そのとおりです。

ほかにも銀行や保険会社などありますが、証券会社は商品が多いのでその分選択肢が増えるということです。

王様
ここまでは前回のおさらいだから問題ないな。

証券会社などが取り扱っている商品を購入するということなんだけど、販売する会社の専門家が株とかの運用をするということ?

家来
いえ、違います。
商品を取り扱っているところは販売会社で、株や債券などを実際に運用するのは運用会社で別の会社になります。

販売する親会社が子会社の運用会社を作る場合が多く、社名が似ていると同じように感じてしまいますが、実際は別の会社で機能も異なるということです。

王様
なるほどね。
役割を分担しているということか。

ところで、運用会社は投資家から集めたお金を運用するわけだから、お金の管理もするのかな?

家来
いえ、お金は信託銀行が管理します。
王様
いろんな会社があいだに入りすぎじゃない?(苦笑)
一体何社あるの?
家来
いままで挙げた3社です。

投資家は販売会社を通じて商品を購入し、販売会社はそのお金を信託銀行に管理してもらいます。

そして、信託銀行は運用会社の指示に基づいて株や債券などの売買や管理を行うという流れになります。

王様
お金の流れはよく分かったよ。
それだけあいだに入れば、手数料もそうだけど利益が出ても結構差し引かれそうだね。
家来
おっしゃる通りです。
ただ、投資信託の利益につきましては後ほど詳しく説明させていただきます。
王様
段取りがあるのね。(笑)
家来
申し訳ありません。(苦笑)

投資信託のメリットとは

家来
では、次に投資信託のメリットについて説明いたします。

専門的な知識がいらないことや少額から始められる点は何度も申し上げました。

それ以外に、リスクが分散できるということもメリットです。

王様
リスクの分散とは具体的にどういうこと?
家来

【家来のMore detail room】リスクの分散について説明いたします

資産運用には「卵は一つのカゴに盛るな」ということわざがあります。

一つのカゴに卵を盛っていると、万が一落としてしまったらすべて割ってしまう可能性があります。

しかし、最初からいくつかのカゴに分けていれば、たとえ一つのカゴの卵が全部割れてしまっても、残りの卵は守られるということです。

投資信託で言えば、卵がお金、カゴが商品ということになります。

王様
なるほど。
一つの商品だとそれが大打撃を受けた場合大損してしまうけど、投資信託なら少額からはじめられるから、数多くの商品を購入できてリスクを分散しやすいということだな。
家来
そのとおりです。
しかし、それだけではありません。

投資信託は、商品自体がさまざまな株や債券にバランスよく投資されているため、すでにリスクが分散されています

そのため、商品を数多く購入することで、よりリスクを分散できるということです。

王様
商品自体がすでにリスクを分散しているとはすばらしいよ。

前回勉強した国債や社債もそうだけど、海外の株などは情報も少ないからなかなか個人ではそれらにドカンと投資しづらいからね。

家来
おっしゃるとおりで、それもメリットの一つになります。

投資先が海外となれば、情報収集や分析も大変ですが、手続きも複雑であったり時差で売買がしづらいといったこともあり、たとえ投資したかったとしても個人で投資するのはなかなか難しいです。

その点投資信託であれば、これらを含んだ商品を購入するだけで、あとは専門家にお任せするだけです。

王様
手を出しづらい海外ものもリスクを分散しながら投資できるというのはたしかにメリットだな。
家来
他には、安全性もメリットの一つです。
王様
あれ?投資信託は元本保証がないんだよね。
家来
残念ながら元本保証はされていませんが、先ほど申し上げた各機関が仮に破たんしてしまったとしても、投資のお金は守られるということです。
王様
どういうこと?
家来

【家来のMore detail room】各機関が破たんした場合について説明いたします

各機関というのは、販売会社、運用会社、信託銀行の3社です。

破たんと聞くと、投資したお金がゼロになるのではないかと思われるかもしれませんが、投資信託の場合はその心配はいりません。

まず、お金を管理している信託銀行が破たんした場合について説明します。

信託銀行の財産と投資信託の信託財産は、分別管理とも言いますが別々に管理することが義務付けられているので、投資したお金は法律によって守られています

そのため、仮に銀行が破たんしたとしても信託財産は守られるということです。

次に、販売会社や運用会社が破たんした場合です。

先ほどもお話しましたが、投資したお金は信託銀行が管理しています。

そのため、仮に破たんしても信託財産には直接影響はありません

各機関が破たんした場合は、商品がその時点で換金されるか、別の会社に移管されることになります。

王様
なるほど。
損失が発生している時点で換金されたら当然損をしてしまうけど、各機関が破たんしたからといって一気にゼロになるわけではないわけか。

そういう意味での安全性なんだね。

家来
おっしゃる通りです。
ただ、破たんする時点で投資した商品の利益が出ていることはあまりないでしょうから、大きく損をする可能性はあります。
王様
確かに大儲けしている会社が破たんすることはないだろうからな。
家来
逆に言えばそうかもしれません。
なので商品を選ぶ際には運用成績を慎重に確認していきましょう。

ではメリットの話を続けます。
投資信託は、基準価額が日々公表されているため、資産価値や値動きが分かりやすいというメリットもあります。

王様
そういう分かりやすいバロメーターがあるのは良いな。
知識がない我々みたいな素人でも、儲かっているとかすぐに分かるだろうからねぇ。
家来
確かに細かい計算式とかがあったらそれだけで頭も痛くなりますから。

ということで、メリットに関しての報告は以上になります。

王様
よく分かりました。
ではデメリットに関しても説明してもらおうかな。

投資信託にはどのようなデメリットがあるのか

家来
まずは、取引時のコストである手数料についてです。

投資信託ではさまざまな形でかかってくるので、手数料込みで利益が出るかどうかをしっかりと考える必要があります。

王様
具体的にはどのような手数料があるの?
家来
まずはじめに、商品を購入する際にかかる購入時手数料があります。
これは購入額に対して平均0~3%が目安です。
王様
結構な幅があるんだね。
ところで0%というのは手数料が無料ということ?
家来
そうです。
商品によっては購入時手数料が無料のものがありまして、それをノーロード(型)投資信託、ノーロードファンドと言います。
王様
手数料が無料というのはいいな。

1万円の3%なら300円だからあまり気にしなくていいかもしれないけど、100万円だったら3万円になるからなぁ。

家来
王様がおっしゃった通り、投資金額が増えれば増えるほど手数料はどんどん高額になります。
王様
みんな同じ考えだろうからノーロードの商品は人気があるんじゃない?
家来
はい、人気が高くてどんどん増えてきています。
王様
やはりそうだろうね。
よし。0%と3%の似たような運用成績の商品があれば、0%のノーロードを選んでいこう。
家来
承知しました。

では、信託報酬という手数料についての説明に移ります。

これは、商品の運用期間中に、運用費、報告書の作成や発送費、保管費などが報酬として差し引かれるもので、先ほどの3社で配分されます。

商品を保有していれば毎日かかる手数料で、実際は年率で差し引かれますが、0.05~3%が目安です。

王様
この手数料の年率も結構幅があるんだな。
家来
そうなんです。
手数料をよく考えなければならないというのはこのためです。
王様
なるほど、この二つをよく比較して商品を選ぶ必要があると。
家来
いえ。まだほかにあります。
王様
えぇ!これ以上差し引かないでよ!
家来
も、申し訳ありませんが続けます。(苦笑)

投資信託は、公平性や透明性を確保するために商品ごとに監査を受ける必要があります

計理が公正に行われているかの監査費なんですが、これが監査報酬として差し引かれます。

また、運用に株取引を含む商品であれば、株売買時には手数料が発生するため売買委託手数料が、運用の途中で換金できる商品を換金した場合は、投資家が直接支払う信託財産留保額という徴収金がかかります。

王様
多すぎて混乱してしまうよ。
まぁいろいろと差し引かれるということで…。(照)

これだけ手数料がかかれば確かにデメリットだとは思うけど、逆にいえば手数料が高い商品は、それだけ運用成績も良いということではないの?

家来
そうではないみたいです。
ノーロードだから悪いとか、手数料の有無や年率などの高低が運用成績に直結しているわけではないそうです。
王様
となると、商品によっては必要ない手数料だったり、ノーロードのものもあるわけだから、いろいろと比較して良さそうなものを見極めていく必要があるということだな。
家来
おっしゃる通りです。
同じ商品でも証券会社が変われば手数料が違う場合があるので、それも見ていかなければなりません。
王様
頭が痛いよ。(苦笑)
まぁでも証券会社選びが重要というのは、こういうところでもよく分かるね。
家来
そうなんです。
投資信託は少額から始められるとはいえ、高額投資であれば手数料だけでも大きく変わってきますから。

あとは、もうすでに何度も話に出ていますが、元本割れのリスクについてです。

王様
元本割れになる原因ってどういったものがあるの?
家来
投資信託は株や債券などで運用しています。

なので、株や債券などの価格変動だけでなく、外国のものに投資していれば為替変動、債券であれば金利変動によっても左右されるわけです。

王様
なるほどね。
前回の戦略会議で聞いたけど、社債や国債は財政難とか経営不振とかそういうリスクもなかったっけ?
家来
ありますよ、債務不履行、デフォルトのリスクです。
信用リスクとも言うそうです。
王様
投資信託は株や債券を運用しているということで、前回の戦略会議で勉強したことも活きてくるね。

つまり、この商品は何で運用しているのかをしっかり確認して、そのリスクを考えながら選ぶ必要があるということか。

家来
そういうことになります。

投資信託の商品にはどのようなものがあるの?

家来
では投資信託の商品には具体的にどのようなものがあるか説明したいと思います。

投資信託は大きく分けて、公社債投資信託株式投資信託の二つがあります。

公社債投資信託は、株式を一切組み入れることができないという定義があり、
投資対象が国債や地方債、社債などに限定された投資信託です。

代表的な公社債投資信託にはMMFMRFがあります。

王様
またよく分からないアルファベットが登場してきたかぁ。
家来
また投資信託の商品を選ぶ際にまとめて説明いたしますので、ひとまず進めさせてください。

そういうのがあるんだなくらいで思っていただければ問題ありません。

そして、株式投資信託とは、ざっくりと言えばそれ以外の投資信託です。

王様
ざっくりしすぎだよ。(苦笑)
株式って名前がついているなら、投資対象が株ということではないの?
家来
確かにそうなんですが、微妙に違うようです。

日本の税法の規定により、株式が1株でも組み入れることができるものは株式投資信託に分類されます

そのため、国債や社債を中心に運用しているものや実際に株に投資をしていないものでも、運用対象に株式と記載していれば、分類上は株式投資信託になるということです。

王様
なんか複雑だな。
とにかく公社債投資信託は厳密な定義があるから、公社債が運用対象なのは間違いなくて、株式のほうは、運用対象をよく見てみないと分からないということでいいかな。
家来
公社債もさまざまですので、いずれにしても運用対象は見なければならないのですが、ざっくりと言えばそういうことになります。
王様
運用対象が公社債中心だったら、分かりやすくそのまま公社債投資信託でもいいような気がするけど…わざわざ株式投資信託に分類する理由は何かあるの?
家来
これは、運用会社の都合です。

株式投資信託は、たとえ元本割れをしていても追加の販売ができます
しかし、公社債投資信託ではそれができません。

運用会社はこれを避けるために、たとえ債券だけで運用していたとしても、分類上は株式投資信託としているというわけです。

王様
そんなカラクリがあるとは。
そういうことなら、ほとんどが株式投資信託なんじゃないの?
家来
はい。
現在国内で販売されている投資信託のうち9割以上が株式投資信託です。
王様
では、投資信託といえば株式投資信託と思っていればいいんだね。

ところで追加の販売ができるということなんだけど、これは前回の会議でも話があった積み立てとかかな?

家来

【家来のMore detail room】購入タイプについて説明いたします

投資信託の購入タイプには2種類あります。

購入タイプ 特徴
単位型 投資信託の立ち上げ期間である募集期間のみ購入できるもので、ユニット型とも言う
追加型 信託期間いつでも購入できるタイプで、オープン型とも言う

追加型のメリット

  • 同じ物の買い増しができること
  • 過去の運用状況を確認してから購入できる
  • 信託期間が無期限であったり、長めの場合が多いので、始めに購入した分の利益を買い増していく運用というのも可能
王様
利益を買い増していくというのは、まさに複利効果だね。

収益分配金の受け取り方には商品によって変わるので、効果に差が出てしまいますが、追加型は長期投資が可能なので複利効果の期待はできます。

単位型のメリット

  • 募集期間以降の購入ができないことから、総資産が大きくならないため運用会社が運用しやすい

これは、追加型で人気のある商品ですと、どんどん総資産額が増えていき(募集を停止するものもあり)、1回の取引額も増えてしまいます。

株であれば自らの買いで値段を大きく上げてしまいますから、運用が難しくなるということです。

ただし単位型は信託期間が短いものが多く、期間が終われば自動的に償還されてしまいます。
追加投資もできませんから複利の運用はできません。

王様
なるほど。
どちらかというと追加型の方がメリットは多いのかな。

複利効果であったり、状況に応じて積み立てや買い増しなどいろいろな対応ができそうだからね。

ところで、信託期間て当たり前のように話しているけど、どの商品も期間が決まっているわけではないの?
無期限が…という話もしてたけど。

家来
信託期間というのは運用期間のことで、その名の通り、いつまで運用する商品なのかが分かります。

償還日が来れば損益に関係なく自動的に確定してしまいますが、この期間が決まっていれば、こちらも運用の見通しが立てやすくなります。

王様
それは分かるんだけど、無期限というのはどういうこと?
家来
その償還日の設定がないものです。

商品を売却することで損益が確定しますから、そのタイミングがとても重要になります。

ただ、決められた償還日が繰り上がることもあって、これは無期限の商品でも起こりえます。
これを繰上償還と言います。

基準価額が何円を超えたらなど、条件が決まっているものもあれば、運用が困難になる場合など繰上償還となる理由はさまざまです。

王様
償還日についてはよく分かりました。

ただ、払い戻しをする時に払う手数料がなかった?

償還日に関係なく売却ってできるんじゃないの?

家来
運用期間中に払い戻しができる商品をオープンエンド型、できないものをクローズエンド型と言って、商品によって売却できるものはあります。
王様
なるほど。
そのオープンエンド型の商品を途中で払い戻したときに、手数料を払うことになるんだね。
家来
はい、その手数料は信託財産留保額です。
王様
あと種類でいえば、この前インデックス・・・何とかみたいなのがなかった?

今度説明してもらうことになってたと思うけど。

家来
インデックスファンドとアクティブファンドです。
王様
そうそう。それそれ。
家来
正確に言うとこれらは運用方針になります。
家来

【家来のMore detail room】運用方針、特色について説明いたします

投資信託の商品の中には、インデックスファンド(インデックス型)、アクティブファンド(アクティブ型)というものがあります。

・インデックスファンド(インデックス型)とは

パッシブ運用とも言われ、ベンチマークの市場平均と同じような動きをする運用を目指すファンドです。

市場平均とは、日経平均株価やTOPIXなどの国内外の株価指数のことです。

なぜ同じような動きができるのかといえば、それらの市場平均を作る銘柄とほぼ同じ銘柄を運用するからです。

・インデックスファンド(インデックス型)のメリットと特徴

初心者にとってたくさんの投資信託の中から有望な投資先を選ぶ作業は大変です。

しかしこのインデックスファンドであれば、株価指数と似た動きをするシンプルな商品なので、投資先を選ぶ手間が減らせます。

例えば東証1部上場企業は1,800社ほどありますが、TOPIXに連動する投資信託であれば、これらの会社に分散投資していることになります。

また、ノーロードや運用管理費用が安いなど、積立投資や長期投資に向いています。

あくまで市場平均以上に儲かるわけではないので、ローリスクローリターンのファンドですが、低コストで分散投資ができるというのが最大の特徴です。

・アクティブファンド(アクティブ型)とは

市場平均以上の利益を目指すファンドです。

・アクティブファンド(アクティブ型)のメリットと特徴

インデックスファンドよりもハイリターンの期待ができます。

しかし、今後値上がりしそうな企業の選別や、経済分析などが必要なため、運用会社のファンドマネージャーの人件費が余計にかかり、その分手数料が高くなります。

投資信託にとってこのようなコストはマイナスですし、市場平均を上回るアクティブファンドばかりではないため、インデックスファンドより成績が悪かったというケースも多いようです。

王様
なるほど。
これを聞くとインデックスファンドの方がいいね。
家来
たしかにそうかもしれません。

ただアクティブファンドでも運用成績のいいものはありますから、結局は商品をしっかりと見極めなければならないという結論になってしまいます。

王様
やはりそうなるか。
ところで分配金とか決算が…という話はあったけど、肝心の投資信託の利益についてよく聞いてなかったな。

ちょっと説明してくれない?

家来
承知しました。
【王国後日談】
この時はインデックスファンドの方が良いのでは、という話をしていましたが、王国としては運用成績の良い商品を見極め、アクティブファンドを中心に運用開始しました。

もちろんインデックスファンドも購入し、リスクを分散することも忘れていません。

⇒投資信託の購入を報告した戦略会議の様子はこちら

投資信託の利益について説明します

家来
投資信託の利益には、分配金譲渡益の2種類があります。

分配金は、運用結果に基づいて、口数に応じて決算ごとに投資家に分配するお金です。

さらに、追加型株式投資信託は、課税扱いの普通分配金非課税扱いの元本払戻金(特別分配金)に分けられます。

王様
どんどん枝分かれしていくから、どんどん分からなくなっていくよ。
家来
利益の話も大事ですからよろしくお願いします。

収益分配後に基準価額は下がりますが、その基準価額が個別元本と同額か上回った分を普通分配金、下回った分を元本払戻金と言われます。

王様
頭の中が混乱しすぎておかしくなりそうだよ。(苦笑)
具体的に数字を出してくれないかな。
家来

【家来のMore detail room】分配金について説明いたします

例えば分かりやすいように販売手数料を含まず、分配金なども実際にはあり得ない金額で説明します。

基準価額15,000円で一口購入しました。

その後、基準価額は20,000円に上がり、決算で6,000円の分配金が出たとします。

分配後の基準価額は、分配金を引いた14,000円になり、個別元本は新たな取得価額として修正されます。

この場合、まず基準価額の上がった5,000円分が普通分配金となり課税対象に、分配後に値下がりした分の1,000円が元本払戻金で非課税対象になります。

基準価額が25,000円となり、決算で6,000円の分配金が出たとします。

この場合、分配後の基準価額は19,000円に修正されますが、個別元本は下回りません。

そのため分配金の6,000円は、すべて課税対象となります。

王様
一口だけ購入しているから分かりやすいけど、積み立てとか追加で購入している場合の個別元本はどう計算するの?

その場合は平均した額が個別元本になります。

例えば15,000円と25,000円で一口ずつ購入すれば、個別元本は20,000円です。

王様
なるほど。
分配金は購入時と決算時の基準価額によって課税されるかどうか変わるのか。
家来
数字を挙げて説明しても分かりにくいですが、これは実際に始めてみたら意外とすぐに理解できるかもしれません。
王様
確かに実践に勝るものはないかもね。

ではもう一つの譲渡益というのは?

家来
買取請求と解約請求によって得た利益のことです。

解約請求には中途解約と償還日の満期解約があります。

買取請求 証券会社などの販売会社に売却すること

販売会社は一旦買い取って、その後運用会社に解約を請求します

解約請求 販売会社を通じて運用会社に解約を請求するもの

満期解約や一部の投資信託を除いて、信託財産が減少することから、信託財産留保額のコストがかかります

王様
解約請求のコストは迷惑料みたいな感じかな。

多分一人ぐらい売却したくらいでは、それほどの影響がないかもしれないけど、運用資金が減るわけだからその分手数料をくださいと。

家来
そうですね。
さらにこの手数料は頻繁に解約することを防ぐ抑止力にもなっています。
王様
なるほど、運用するにも頻繁に売り買いされたら困るということか。

手数料の重要さがとてもよく分かりました。

家来
なので、投資信託はとにかく手数料第一と考えてもいいくらいですね。

あと補足いたしますと、譲渡益は、売却時の基準価額から手数料や消費税を含めた取得価額を引いたものになります。

王様
お、覚えられない…。
分配金は手数料を含めないと言っていたから違うということだけは分かった。

まぁ実践で勉強していくよ。(照)

家来
では、話を変えますか。(苦笑)
次は税金について説明いたします。
王様
話を変えたというのに、お金を取られる話ばかりでつらいよ…。
お金を増やすのは本当に大変なんだな。
家来
国民のために頑張りましょう!
【王国後日談】
王国で購入した投資信託の一つ『J-Stock アクティブ・オープン』では、2017年10月に分配金2,400円が発生しました。

分配金再投資コースだったので、保有口数が約4,300口増えることに。

基準価額は右肩上がりと運用成績が良く、含み益も順調に増えています。

⇒『J-Stock アクティブ・オープン』の最近の運用成績など詳しい情報はこちら

投資信託の税金について説明します

家来
2015年までは株式投資信託公社債投資信託で違いはありましたが、2016年以後現在は税法上の違いがあまりなくなりました。
王様
なぜ違いがなくなったの?
家来
金融所得課税の一体化によって違いがなくなりました。
家来

【家来のMore detail room】公社債投資信託の税金について説明いたします

2016年1月1日以後は、分配金を利子所得として税率20.315%の源泉徴収、売却益や償還差益を譲渡所得として税率20.315%の申告分離課税となっています

20.315%の内訳は、所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%です。

「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が2015年から施行され、2037年まで所得税の2.1%分の金額を復興特別所得税としてあわせて徴収されます。

ちなみに2015年までは、分配金と償還差益が利子所得として源泉分離課税、売却益は非課税でした。

なお、分配金は申告不要制度を利用して源泉徴収だけで課税関係を終了するか、申告分離課税として確定申告をするか選択できます。

また公社債投資信託の分配金や譲渡損益についても、損益通算や譲渡損失の繰越控除の対象となりました。

そのため、上場株式等の譲渡損益や配当などとの損益通算が可能になり、その年に損益通算しても控除しきれない譲渡損失がある場合は、上場株式等と同様に翌年以後最長3年間にわたって繰越控除することも可能になりました。

2016年からは、公社債投資信託も特定口座に受け入れることが可能になっています

特定口座につきましては後ほどお話します。

王様
分かったような分からなかったような。

ただ、公社債と株式は、税金以外にもいろいろと大きく違っていたものが、違いがなくなってきて分かりやすくなったということだね。

家来
先ほどの元本払戻金や、これからお話しする配当控除での違いがあるくらいです。
王様
では株式投資信託の税金についても説明してくれる?
家来

【家来のMore detail room】株式投資信託の税金について説明いたします

分配金は配当所得として税率20.315%の源泉徴収、中途換金(売却)の解約益、買取(譲渡)益、償還差益は上場株式等の譲渡所得として税率20.315%の申告分離課税となっています

税率の内訳や分配金の源泉徴収の申告不要制度については、公社債投資信託と同じです。

追加型投資信託の元本払戻金(特別分配金)は、税法上元本の払い戻しとみなされて税金はかかりません

中途換金には買取と解約(償還)の2つの方法がありますが、個人投資家にとって税法上の区別がなく、売却益は税法上「買取」で換金したものとして取り扱われ、上場株式等の譲渡所得となります。

一般口座や源泉徴収なしの特定口座の場合、原則として確定申告が必要になります。

前年以前の譲渡損失を繰り越している場合は、譲渡益からそれを引いたものが譲渡所得となります。

どちらの方法で中途換金しても、他の上場株式等の譲渡損益通算は可能です。

また、分配金の配当控除を受けられる場合があります。

基本的には普通分配金にかかる所得税や地方税は源泉徴収されるので確定申告の必要はありませんが、総合課税で確定申告することで配当控除の適用を受けることができます

外貨建て資産の割合や株式以外の資産の割合によって3段階に分けられます。

外貨建て資産の割合が75%を超える
非株式割合が75%を超える
配当控除の適用はありません
外貨建て資産の割合、非株式割合がどちらも50%以下 収益分配金に対して所得税5.0%、住民税1.4%になります
上記以外の場合 収益分配金に対して所得税2.5%、住民税0.7%になります

ただし、課税総所得金額が1,000万円を超える部分は、配当控除率はそれぞれ半分になります。

王様
やっぱり分かったような分からないような。(照)

こういうのは実践してみないと分からないことかもしれないけど、確定申告をした方がいいのかどうかなど、自分に一番適した方法は専門家によく聞いてみないといけないな。

家来
そうですね。
われわれ初心者にとって分からないことだらけですから、専門家や経験者にアドバイスしてもらいながら進めていきましょう。

自分もしっかり勉強していきます。

王様
よろしく頼むよ。
あとほかに何かあるかな?
家来
あとは口座開設の説明で最後となります。
王様
一番大事なことだったね。
さっき特定口座が…という話もあったけど、それも含めて説明よろしく。

一般口座と特定口座の違いは?

家来
承知しました。
口座を開設する場合、一般口座と特定口座があります

先ほども申し上げましたが、譲渡所得に関しては原則確定申告が必要です。

一般口座とは 自分で損益通算を計算して確定申告をしなければならない口座
特定口座とは 個人投資家の納税に関する負担を軽減するための口座

販売会社ごとに開設可能

家来
この口座には源泉徴収ありと源泉徴収なしの2種類があります
王様
ありとなしの違いは何?
家来

【家来のMore detail room】特定口座の源泉徴収ありとなしの違いについて説明いたします

・源泉徴収なしの場合

一般口座と同じく確定申告の必要があります

ただし、特定口座内の投資信託はまとめたうえで必要書類が送付されるので、計算や個別の残高証明などが必要なく、簡易的な申告で済みます。

・源泉徴収ありの場合

特定口座内の損益通算で利益が出ている場合、税金が徴収された後に収益が振り込まれるので、確定申告の必要がありません

ただし、他の口座と損益通算したり、繰越控除の特例適用を受ける場合には、源泉徴収ありの特定口座でも確定申告が必要になります。

王様
なるほど。
例外はあるにしても、初心者とか税金がよく分からない人にとってみれば、確定申告をしなくてもいい源泉徴収ありの特定口座がよさそうだな。
家来
ほかにも、決められた投資枠から得た利益に対して税金が非課税になるNISA口座がありまして…。
王様
ニーサ?
またまた税金が非課税という魅力的な口座が出てきたね。
家来
このNISAにはジュニアNISAや、2018年から新設される積立NISAもあります。
王様
えぇ!?
投資信託は、証券会社の口座を開設すればすぐに始められると思っていたけど、その前に口座にもいろいろな種類があって、自分に合ったものを開設しなければならないんだな。
家来
おっしゃるとおりです。
王様
よし!
今回の戦略会議はここまでにして、口座については日を改めてもう少し詳しく聞いていこう。

俺は楽天銀行の口座があるから、楽天証券について調べてみて、できれば口座開設まで行っておくよ。

家来
よろしくお願いいたします。
では私も、楽天証券を含めてどこの証券会社の口座開設をすればいいのか、口座についてさらに深く調査してまいります。
王様
よろしくお願いします。
では第2回の戦略会議は終了としよう!