【第20回戦略会議一口馬主編その1】ダノンプレミアムはロードで募集されるはずだった?クラブと牧場の関係性のお話。

王様
では、一口馬主編をよろしくお願いします。
町人&家来
よろしくお願いします。
王様
いきなりなんだけど、先週話し忘れていたことがあって。

弥生賞を勝ったダノンプレミアムの話をしたでしょ?

⇒前回の戦略会議一口馬主編はこちら

王様
あのダノンプレミアムという馬は、ケイアイファームという牧場の生産馬で、馬主がダノックスという法人なんだけどね。
町人
ダノンプレミアムって腸に良さそうってネットで言ってる人がいてちょっと笑いました。

確かにヨーグルトみたいな名前だなと思って(笑)。

王様
たしかに。

みんなうまいこと考えるよなぁって感心するよ(苦笑)。

家来
ダノックスの馬は「ダノン」という冠名でおなじみですね。
王様
そうだね。

でね、生産牧場のケイアイファームって、我ら一口馬主達に有名というか、馴染みのある、ロードサラブレッドオーナーズというクラブに所属する馬たちの生産牧場なんだよ。

町人
ロード…カナロアとかもそうですか?
王様
そうそう、そのロード。
家来
ロードの馬はケイアイファーム生産なんですね。
王様
うん、それでここからが本題ね。

ダノンプレミアムにはお兄さんとかお姉さんが3頭いるんだけど、これまで全部ロードで募集されてきたロード縁の血統だったんだよ。

たとえば父ディープインパクトでロードプレミアムの全兄ロードグランツ、本賞金280万円で引退。

同じく父ディープのロードプレミアムは現役で2,570万円稼いでる。

そしてロードスタルディというダイワメジャー産駒もいて、これはデビュー2戦目のレース中に故障を発症して残念ながら予後不良。

家来
…からの、ダノンプレミアム爆誕ですか。
※スマホでご覧の方は横スクロールできます。

ロードグランツ 父ディープインパクト、本賞金280万円で引退
ロードプレミアム 父ディープインパクト、現役で獲得賞金は約2,570円(2018年3月15日現在)
ロードスタルディ 父ダイワメジャー、2戦目で故障発生して予後不良
ダノンプレミアム 父ディープインパクトはロードグランツとロードプレミアムと全兄弟

【2018年3月15日現在の主な勝ち鞍】

  • 2018年弥生賞(GⅡ)優勝
  • 2017年朝日杯フューチュリティーS(GⅠ)優勝
  • 2017年サウジアラビアロイヤルC(GⅢ)優勝

2017年JRA最優秀2歳牡馬受賞

王様
そう。

ダノンプレミアムはロードで募集されずにいきなりダノックスに売られて、なんなら2冠馬になってもおかしくないくらいの圧倒的強さだからね。

町人
うわぁ、最悪ですね。
王様
ロードの会員、大激怒みたいだよ。

ケイアイファームに殴り込みにいくぞみたいな書き込みもいくつか見かけた。

まあ冗談だろうけど(笑)。

家来
こういうことがあると、ロードをちょっと下に見ているんじゃないか?と思ってしまいますよね。
王様
でもまあ、これはわざとこの馬だけ庭先取引でダノックスに売却したというわけではないだろうからなぁ(苦笑)。

ダノンプレミアムのお母さん、インディアナギャルはポテンシャルの高い繁殖牝馬だと思うよ。

ロードグランツは能力には定評があったものの、脚元が弱くて故障による引退だし、ロードスタルディもレース中の故障で夢半ばだったわけだし。

家来
そういえば昔、シルクでも千代田牧場の生産馬はあまり相性がよくないということをよく聞きましたね。

シルクで募集される馬は全然ダメで、他の個人馬主に売られたほうだけ走る的な。

町人
千代田牧場ってどこですか?
家来
古くはニッポーテイオー、スマイルトゥモローやホエールキャプチャ、最近だと2014年の朝日杯フューチュリティーステークスを勝ったダノンプラチナを生産した牧場といえば分かりやすいですかね。
町人
またダノンの馬じゃないですか。強い馬が多いんですね。

それにしても世界一わかりやすい解説ありがとうございます(笑)。

王様
でもさ、この問題は一口馬主をやる上でしっかり意識しないといけないんだよ。

俺らが会員になってるシルク、キャロット、サンデーレーシングは馬の仕入先が全部ノーザンファームなわけじゃない。

家来
ノーザンファームは日本一のサラブレッド生産牧場といえる存在で、生産頭数も桁違いですもんね。

当然クラブだけじゃなく個人馬主さんに庭先で売却したり、セレクトセールという日本で一番大きなセリ市で高値取引される馬もノーザンファーム生産馬が多いです。

王様
そういうこと。

どこのクラブに一番良い馬が集まっているか?というのは年によって傾斜があると考えるのが妥当だと思うんだよ。

もちろん他の個人馬主に売られてしまった馬はどうしようもないけど。

町人
へえ、そんな操作が行われているんですか?
家来
例えば2018年の4歳世代ってキャロットがめちゃくちゃ強くて、ダービー馬レイデオロや桜花賞と秋華賞で2着、今年の東京新聞杯を勝ったリスグラシューが代表産駒になりますかね。


※写真はクラブ公式より(全ての写真の掲載許可いただいてます)

王様
そうかと思えば2018年3歳世代はシルクが当たり年で、やっぱりシルクに重点的に良い馬をおろした世代なのではないかみたいなことをいわれていて。

もちろんノーザンファーム直営クラブであるサンデーレーシングは安定して毎年強い馬が出てくるんだけど。

町人
でも、サンデーレーシングは馬代金が高いんですよね?
王様
お、町人わかってきたじゃん!

サンデーは高いね。高いというか、40口だから一口あたりの負担が大きいといったほうが正しいかな。

町人
そうですよね。

僕からすると会員になれても馬を買うのが大変です…。

王様
今種牡馬としてもブレイクしているルーラーシップもサンデーレーシングの募集馬だったんだけど、募集価格がなんと1憶8,000万円だった。

それを40口だから、一口450万円だよ。

車を買うわ!ってなっちゃうよね普通(笑)。

家来
それでも、ルーラーシップはプラス収支を出すくらいの活躍をしてくれたからよかったですよ。

1憶を超える40口で、未勝利で引退の馬もいくらでもいますから…。

町人
それはツライ…。

清水の舞台から飛び降りる気持ちで出資した高馬が未勝利で大赤字は死にたくなりますよ(苦笑)。

王様
でもね、400口クラブのキャロットクラブがサンデーレーシングより馬主ランキングで上にいくこともあるんだよ。

2014年と2016年の2回、キャロットは年間の馬主リーディングを奪取している。

町人
馬主ランキングというのは…?
王様
同じ馬主の馬で稼いだ賞金額のランキングだよ。
町人
へえ、それは凄いですね、キャロットクラブ。
王様
だからキャロットは最近それで凄く人気で、出資したい馬に全然出資できないんだよね。

人気のある馬は抽選だから、IPOみたいなもので。

町人
そうか、出資のハードルが下がると今度は抽選になってしまうというデメリットも出てきてしまうのか…。

それは痛し痒しですね (苦笑)。

家来
町人も一次募集から参加すればこの気持ちが理解できますよ。
町人
2018年は参加したいな~と思っています!
王様
というわけで、先週話し忘れたダノンプレミアムとケイアイファームの話でした。