【商人のFX講座・取引編3】利益・損失を表す指標pips(ピップス)とは

商人
FXには、利益と損失を表す絶対的な指標としてpips(ピップス)があります。

これは世界共通の指標です。

王様
世界共通だったら、pipsは必ず覚えておかないといけないな。
町人
ピップス…と。
しっかり覚えておきます。
家来
利益と損失を表す指標ということですけど、例えば私が100万円の利益、町人が1,000万円の利益なら町人の方がより儲けてますよね。
町人
1,000万円の利益って…ありがとうございます。
家来
せっかくなら、大きく儲けてもらいたいので。(苦笑)

で、そのpipsを見れば、町人の方が900万円儲かっているのが分かるわけですか。

商人
それはちょっと違います。

もちろん単純に利益を出すのが目的なので、今の例で言えば町人の方が利益を出しているから正解ではありますけど、金額だけではそれぞれがどうやって利益を出したのかが見えてこないんですよ。

そこでpipsです。

家来
どのように使うんですか?
商人
例えば、10pipsの利益が出た、10pips獲得した、100pipsの幅を取ったとか、100pips損したのように言います。
王様
さっき家来が900万円儲かったと言ったのと何が違うのかな。

そもそも1pipsっていくらなの?

商人
ではまず分かりやすいということでクロス円で説明しましょう。

1円 100pips
10銭 10pips
1銭 1pips
家来
1円が100pipsで1銭が1pipsと…。

100pipsの利益が出たと言っていたら、1円の利益?

う~ん、よく分からないです。

商人
もう少し具体的な数字を挙げて説明しますね。

例えばドル円の取引をしているとしましょう。

1ドル100円が100円10銭になった場合、為替レートは10銭変動しました。

10銭は10pipsですから、この場合10pips獲得したことになります。

町人
つまり、ロングだったら10pipsの利益、ショートなら10pips損失ということか。
商人
そのとおりです。

他にも、ショートで100pips利益が出ましたという人がいた場合、現在1ドル101円だったとすると、その人がエントリーした時は1ドル102円だったことが分かります。

王様
そういうことか。
少しずつ分かってきたよ。
家来
なるほど、儲けた金額ではなくて、レートの変動をpipsで表していたのか。

そこで話を少し戻しますけど、商人が

金額だけではそれぞれがどうやって利益を出したのかが見えてこない

と言っていたのは、いくら利益が出たというだけでなく、何pips獲得して結果いくら利益が出たのかが重要だということですね。

商人
そうなんです。

ではどういうことなのか説明していきましょう。

先ほどの家来と町人の会話を例として、それぞれの利益を出すにはどのようなパターンが考えられるのか見ていきます。

null 家来の私は1か月間で100万円の利益が出ました。
null 町人の僕は1か月間で1,000万円の利益が出ました。
以下の3つのパターンはすべてドル円の取引で、1ロット(Lot)=10,000通貨とします。

ロットとは各証券会社が定めている最低取引単位のことです。

・パターン1

Lot(ロット) pips(ピップス)
null 100
(100万通貨)
100
null 1,000
(1,000万通貨)
100
商人
まずはパターン1です。

家来は100万通貨持っていて100pipsの利益が出ています。

ちなみにこれ以降のすべてのパターンに共通することですが、エントリーの回数、ロングやショートはまったく問いません。

いずれにしても、1か月間の取引で最終的に獲得したpipsと思ってください。

ただ分かりにくくなるので、複数回の場合は、同じ通貨量の取引、パターン1の家来なら毎回100万通貨をエントリーしたとします。

町人
通貨量が変わったら頭がついていかないです。(苦笑)
家来
もうちょっと慣れるまでは分かりやすい値でよろしくお願いします。
商人
分かりました。
王様
でパターン1なんだけど、ドル円の取引で100pips…、つまりドルが1円動いて利益が出たと。

だから、100万通貨×1円で100万円儲かりましたってことね。

商人
そうです。
町人も同じpips利益が出ているので、1,000万通貨×1円で1,000万円儲かったというわけです。

・パターン2

Lot(ロット) pips(ピップス)
null 100
(100万通貨)
100
null 100
(100万通貨)
1,000
商人
パターン2では、同じ100万通貨を保有しています。
でも…。
町人
なるほど、町人の僕は1,000pipsも利益が出たから、家来よりも儲けることができたのか。
商人
ただ、同じ通貨を保有している状態で1,000万円の利益を出そうと思ったら、1,000pipsつまり為替レートが10円分変動しないといけないとも言えるわけです。

1ドル100円が一気に110円とかになることはありませんし、複数のエントリーでも1,000pipsの利益を出すのって結構大変なんですよ。

王様
パターン1のように1,000万通貨を保有している時なら100pipsで良かったわけだかからね。

当たり前かもしれないけど、資金が多ければそれだけ少ないpipsでも儲けられるということかな。

・パターン3

Lot(ロット) pips(ピップス)
null 1,000
(1,000万通貨)
10
null 100
(100万通貨)
1,000
王様
あれっ?
家来は1,000万通貨持っていたけど、10pipsしかなかったから100万円しか利益が出てないと…。

うまく取引しないと資金力があっても利益は出ないんだな…って当たり前か。(苦笑)

家来
それに比べて町人は100万通貨しか持っていなかったけど、取引が上手くいって1,000pipsで1,000万円儲けることができたというわけか。
町人
もし僕がパターン3でも1,000万通貨保有していたら…
商人
1,000万通貨×10円(1,000pips)で1億円の利益が出たことになります。
町人
1億円!?
架空の取引とはいえ、なぜ1,000万通貨で取引できなかったのかと後悔してしまいます。
家来
その気持ちよく分かります。(苦笑)
僕もパターン3でようやく1,000万通貨保有したというのに、もっと上手く取引していれば…と思いますよ。
商人
ただ逆に、もし1,000万通貨保有していて100万円の利益を出したいと思っていたのなら、レートは10銭(10pips)動くだけで良いということですから、激しくレートが動く必要がないとも言えます。
家来
言われてみれば確かにそうか。

同じ100万円の利益を出したいと思っていても、10万通貨なら1,000pips必要だけど、1,000万通貨なら10pipsとかなり違いますよ。

町人
前に例外は除いて、1日1円前後の変動って話を聞きましたけど、1,000pipsの利益を出すのは大変だというのはそういうことか。
商人
はい、その時に1銭の動きでも損益が出るとも話しましたが、その少ない変動でも利益を出していこうと、レバレッジをかけて大量に通貨を保有しているというわけです。

でもまぁ一番の理想は、大量に通貨を保有してレートが激しく動いてうまく取引することなんですけどね…。

王様
なかなかそんな風には上手くいかないと。

ところで今回はクロス円を説明してもらったわけだけど、他の通貨のpipsはどうなの?
例えばドルストレートとか。

商人
それがちょっと分かりにくいので、いずれ改めて説明します。

まずは、世界共通の利益と損失の指標としてpipsがありますということと、1円が100pipsで1銭が1pipsだと理解していただければと思います。

では続けてスプレッドについて説明しましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

ビットコインFXの運用を任されるものの、幾度となく暴落に巻き込まれ、証拠金をガッツリ減らすという失態を犯す。「コツコツドカンの巨匠」と揶揄されたことも。ビットコインの値動きが出にくくなったことから、為替のFXに転向することになった。再起できるかどうかが当面の課題。