【商人のFX講座・取引編4】証券会社ごとに異なるスプレッド、最狭とか広いって何?

商人
FXにはスプレッドと言うものが存在します。

ざっくりと言えば証券会社の手数料のことですが、手数料とスプレッドはイコールではないので注意してください。

王様
スプレッドは手数料のようなものだけど手数料ではない…。
よく分からないなぁ。
商人
ちょっと難しいので、ドル円の取引を例にして順を追って説明していきましょう。
  1. 1ドル100円で買い注文を出しました。
  2. しかし、約定したのは100円2銭でした。
  3. 取引は、マイナス2pips(ピップス)からスタート。
    (1万通貨であれば、マイナス200円の含み損)
  4. この2pips(200円)がスプレッドで、証券会社の利益となる。
王様
約定する時にスプレッドが取られると。

この例だと買い注文だから、100円3銭以上になって初めて含み益が発生するということか。

商人
スプレッドの分だけで言えばそうですね。

まずはスプレッドのpips分を埋めないと利益にはなりません

家来
ドルを円に交換する時もスプレッドは掛かるんですか?
商人
それは掛かりません。
王様
株だと売買手数料で、買うときも売る時も手数料が掛かりますけど、FXのスプレッドはそうではないと。
商人
スプレッドに関してはその通りで、ポジションを持つ時に掛かるものです。

ただ、売買手数料は証券会社によって掛かる場合があります。

町人
ん?スプレッドも売買手数料も両方取られる場合があるということ?
商人
はい。
国内の証券会社は手数料無料のところがほとんどですけど、取引する通貨量など条件によっては掛かる場合もあります。

その時は以下のように両方取られることになります。

売買手数料が掛かる場合(買いのあとに売り注文をする場合)

①1万通貨(1ロット)の買い注文 スプレッドが2pips(ピップス) 買手数料が0.5pips
②1万通貨(1ロット)の売り注文 スプレッドは掛からない 売手数料が0.5pips
商人
表の1万通貨の取引時を例とすると、売買手数料が掛かる場合、スプレッドが2pips、買手数料0.5pips、売手数料0.5pipsなので、あわせて3pipsになります。

つまり、これがドル円の取引なら、1ドル100円で買い注文をした場合、1ドル100円4銭以上になったらようやく含み益が発生するということです。

家来
でも国内の証券会社はほとんどが無料なんですよね。
商人
そうです。
売買手数料がある場合を説明しましたが、ほとんど手数料は無料です。

また、手数料無料!と宣伝していたとしても、それは売買手数料が無料なだけで、実際はスプレッドが掛かっているというわけです。

王様
なるほど。

だからスプレッドは手数料のようなものだけど、売買手数料とは違うからイコールじゃないというのはそういうことか。

家来
手数料無料と表示していたら、FX取引の際には何も手数料は掛からないと思いますよ。
商人
でも実際にはスプレッドが手数料のような形で取られているので、まずはそのスプレッド分を埋めなければ利益が出ないんだということ頭に入れておいてください。
家来
よく分かりました、しっかりと覚えておきます。
商人
では続けてスプレッドの広さについて説明します。
町人
スプレッドの広さ?
家来
スプレッドに広いとか狭いとかってあるんですか?
商人
はい。

どういうことかと言うと、最初にドル円の取引で、1ドル100円の買い注文が100円2銭で約定した場合はスプレッドが2pips(2銭)と説明しましたが、それが同じ通貨ペアでも証券会社によってスプレッドは変わるわけです。

例えばスプレッドが3pipsの証券会社が多いところ、2pipsであればスプレッドは狭いということになりますし、逆に4pipsなら広いとなります。

家来
注文と約定の金額の差、その幅が狭いのか広いのかをイメージすれば良いのかぁ。
王様
そう言えば最狭スプレッドって表示を見たのを思い出したよ。

あれは、最も狭いと言うくらいだから、スプレッドがそれほど掛かりませんというのを売りにしてたということかな。

商人
そのとおりで、最狭スプレッドのような謳い文句は多いです。

スプレッドはたとえ1pips、2pipsの差でも大きいんですよ。

ドル円の取引で、スプレッドが2pipsなら100円3銭以上、3pipsなら100円4銭以上で含み益が出るわけですが、何万通貨も取引するFXでは、この1銭2銭という差でも大きく変わるので。

家来
少しでも有利に取引が始められるのなら、その方が良いですからね。
町人
同じ証券会社でも他の通貨ペアだったらどうなんですか?
商人
通貨ペアによってさまざまです。

例えばメジャーな通貨の取引、ドル円やユーロ円が1万通貨でスプレッドが200円なのに、トルコリラ円などのマイナー通貨はスプレッドが1,000円だったりします。

王様
そんなに差があるのかぁ。

マイナー通貨の方がスプレッドは広いと考えておけば良いの?

商人
そうです、マイナー通貨のスプレッドはメジャー通貨に比べて広めです。

そのスプレッドを埋めるのは大変なので、慣れるまではマイナー通貨の取引をしない方が良いかもしれません。

王様
ドル円のレートの動きすらよく分かってないのに、馴染みのないマイナー通貨にはそれこそ手を出せないよ。
家来
そうですね。
今1トルコリラが何円かすら知らないのに手を出したら痛い目に合いそうですし。
町人
分かりました。
慣れるまではメジャーな通貨のクロス円で取引してみます。
家来
ちなみに、国内と海外の口座の差はあるんですか?
商人
基本的に国内口座のスプレッドは狭くて海外は広いです。

なので、スキャルピングをするのであれば、国内口座の方が良いと思います。

町人
スキャルピングって何ですか?
商人
トレードスタイルの一つです。

では、スプレッドについてはここまでとして、続けてスキャルピングも含めたトレードスタイルの説明をしましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

ビットコインFXの運用を任されるものの、幾度となく暴落に巻き込まれ、証拠金をガッツリ減らすという失態を犯す。「コツコツドカンの巨匠」と揶揄されたことも。ビットコインの値動きが出にくくなったことから、為替のFXに転向することになった。再起できるかどうかが当面の課題。